人手不足を解消する3つのポイント

1 はじめに

企業にとって、人手不足は倒産のリスクを高める、深刻な問題のひとつです。中小企業基盤整備機構が2017年5月に発表した「人手不足に関する中小企業への影響と対応状況」によると、中小企業の73.7%が「人手不足を感じている」と回答しています。また、人手不足と答えた企業の半数以上が「かなり深刻」「深刻」と感じており、人材採用に苦戦している企業が多いと推察できるのです。

出典:中小企業アンケート調査報告「人手不足に関する中小企業への影響と対応状況」
(独立行政法人 中小企業基盤整備機構HPより)(2017年5月8日発表)



本コラムでは、「人材不足が企業にどのようなダメージを与えるのか」、人材不足の対策としても重要視されている健康経営について「経営者が実践すべき『健康経営』や『健康投資』とは何か」を踏まえ、3つの人手不足対策のポイントをご紹介します。

2 人材不足による企業ダメージとは?

人手不足による一番のリスクは倒産です。帝国データバンクが2018年4月に発表した「『人手不足倒産』の動向調査(2017年度)」によると、人手不足による会社の倒産件数は、2017年度は5年前の2013年度の2.5倍増となっています。しかも、人手不足による倒産は、4年連続で前年度の件数を上回っており、2017年度には114件と、年度合計で初の100件超えという結果になっています。業種別では建設業を筆頭に、製造業、小売業、運輸・通信業で増加が目立ち、幅広い業種で人手不足による倒産が起きているようです。

出典:『人手不足倒産』の動向調査(2017年度)(株式会社帝国データバンクHPより)(2018年4月9日発表)

倒産しないまでも、企業経営についてのダメージもあります。例えば、人手不足によって従来10人で対応していた業務を7人で対応することになれば、一人あたりの仕事量は当然増加します。結果として、慢性的な労働時間超過状態となって社員の疲労が溜まり、提供する商品やサービスの質が低下し、売上減少を招いてしまいかねません。

また、先述の『人手不足倒産』の動向調査には、「現在、従業員の定着率向上や新規採用を図るため、賃上げの機運が高まるなか、やむなく賃上げに踏み切ったものの、生産性の向上を果たせず倒産に追い込まれるケースが散見される」という報告もあります。
少子高齢化を考えれば、今後はさらなる人手不足の増加が懸念されます。企業ダメージを与える人手不足は、今や深刻な問題となっているのです。

3 企業がすべき「健康経営」「健康投資」とは?

「健康経営」や「健康投資」とは、企業が社員の健康に配慮し、投資する戦略のことを指します。社員の健康管理や健康づくりを推進することで、さまざまな成果を期待することができます。

  • 健康づくり制度があることで、社員が安心して働くことができる
  • 採用面接時に健康制度の存在をアピールでき、安心して入社してもらえる
  • 企業イメージが向上し、ブランディングに役立つ

具体的には上記のようなメリットが期待でき、人材確保やブラック企業との差別化に役立ちます。また、企業を選ぶポイントとして、健康経営に前向きに取り組む企業は、企業のイメージアップに繋がると言われています。

 

4 人材不足対策3つのポイント

人材不足対策として、会社で取り組むべき3つのポイントを見ていきましょう。
 

・離職率を下げる取組みをする

退職を希望する理由が社内にあっては、人手不足を解消することはできません。そこで、フレックスタイム制の導入や在宅勤務など、働き方改革を行うことが考えられます。また、同規模の同業他社との給与を比較し、見直しをすることも大切です。ほかにも、労働環境の見直しをするなどして、離職率の改善を図りましょう。
 

・新しい採用活動の方法も検討する

今まで行ってきた採用活動で結果が出ない場合、採用活動の方法を変えてみることも大切です。低コストで、より多くの求職者に人材募集を告知するのであれば、SNSや動画投稿サイトで自社のPR活動を行うという手段も一般的に有効であると考えられます。新しい採用活動にも積極的に挑戦し、自社にとって「結果の出る」方法を探していきましょう。
 

・福利厚生を充実させ他社と差別化する

社員はもちろん、求職者にとっても、福利厚生は重視したい項目です。産業能率大学による「就職先を選ぶ際に重視した項目」というアンケートでも3位に福利厚生がきています。安心して本人・家族が働けるための健康相談窓口など中小企業が福利厚生の面で他社と差別化するのであれば、保険の付帯サービスによって、福利厚生を充実させる方法があります。

出典:調査報告書 「2018年度 新入社員の会社生活調査」P.6 「就職先を選ぶ際に重視した点」
(産業能率大学HPより)(2018年6月14日発表)


 

5 おわりに

人材を確保するためには、社内・社外どちらにも目を向けながら、時代の変化に合わせた働き方や採用方法を柔軟に取り入れる姿勢が求められます。しかし、ただ新規採用を増やしても、社員が辞め続ければ再び人手不足になるかもしれません。そこで、ご紹介した「健康経営」や「健康投資」といった施策を行い、現職の社員の離職率を低下させることにも注力しましょう。特にこのような社員を大事にする施策は、新規採用への応募を増やすことにもつながることが期待できます。
ほかにも、自社には人手不足になる原因がないかを調査し、離職率の低い会社運営をすることが、人手不足への第一歩なのかもしれません。

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