電気火災への対策はできていますか?

1 はじめに

工場・作業所における火災では、電気機器に起因する火災が最も多いということはご存じでしょうか?東京消防庁による2016年の電気火災の実態を見てみると、東京消防庁管内で発生した3,980件(治外法権火災2件を除く)の火災のうち、電気火災は1,052件となっており、これは全火災件数の26.4%を占めているのです。電気火災は日常に潜むリスクであるため、電気機器の適切な管理と使用がポイントとなります。

出典:「東京消防庁HP」「2017年8月号広報テーマ」より

ここでは、電気火災を防ぐための対策をご紹介します。

2 電気火災のおもな原因と対策

電気火災とは、電気機器や電気関係の配線などが原因となって発生する火災を指します。また、電気コード火災とは、電気火災のうち、電線のショートや半断線などが原因となり発生する火災のことを指します。電気コード火災の多くは、電気機器や配線の日常管理によって防ぐことができますので、その予防策を見ていきましょう。

●接続部の緩みによる過熱からの出火の場合

プラグやコンセントの接続部がしっかりと挿し込まれていなかったり、変形していたりすると、過熱して出火の原因となります。次のような予防策をとりましょう。

 
  • 接続部がしっかりと挿し込まれているか、変形などがないかなどを定期的に点検する
  • 挿し込みが緩いコンセントやテーブルタップがないか確認し、あれば交換する
  • コードとコードをつなぐ場合、素人工事による接続を行わない

●配線のショート(短絡)や半断線からの発熱による出火の場合

コードの破損や絶縁性能の低下により配線がショートすると、大電流が流れて火花が発生し、火災となってしまうケースがあります。また、配線が内部で半断線してしまうと、流せる電気の量が減少し、電気機器の使用中に配線が異常に発熱し、出火することがあるため注意が必要です。たとえば、事務所においては、次のような対策で、出火を予防することができます。

 
  • コードの上にオフィス家具などを置かない
  • たくさんの電気を使用するたこ足配線は行わない
  • コードを折り曲げた状態や、束ねた状態で使用しない
  • コードをステップルと呼ばれるゲート状の釘で固定しない
  • コンセントからプラグを抜く際は、コードではなくプラグ本体を持って抜く

●トラッキング現象による出火の場合

トラッキング現象とは、コンセントに挿したままのプラグに溜まったほこりが湿気を帯びることで電気が流れ、出火するというものです。電源がオフでも発生する危険があるため、特に注意したい現象です。以下のような対策をとりましょう。

 
  • 定期的に差込プラグを抜いて、ほこりを掃除する
  • トラッキング対策を実施した差込プラグや部品に交換する
  • 使用しないときはコンセントから差込プラグを抜く

3 漏電のおもな原因と対策

漏電とは、ケーブル内を流れる電気が、絶縁部分の劣化などで漏れてしまう現象です。漏電した結果、感電事故や火災にもつながることがあります。漏電は、事務所や工場などが無人のときにも起きる危険性があります。ここでは、漏電火災のおもな原因と予防策を見ていきましょう。
 

●漏電火災のおもな発生原因

漏電火災は、漏電電流が流れた部分やその周囲の可燃物で炭化が発生し、ついには蓄熱により発火することで起こります。そのほか、以下のようなことが漏電の原因となり、火災を引き起こす危険性があります。

 
  • 雨漏りや結露
  • 工事施工不良
  • 電気機器の故障・劣化

●漏電火災の予防策

漏電火災の多くは、日常における適切な点検と修繕によって防ぐことが可能です。現場に漏電リスクの高い設備や環境がないか確認し、次のような予防策を行いましょう。

 
  • 漏電ブレーカーの設置
  • 電気機器のアース線の設置
  • 電気コードの定期的な点検・清掃の実施

4 おわりに

工場や作業所における火災は、最悪の場合、事業継続の危機にもつながりかねません。電気機器や設備の適切な使用と管理を心掛け、安全な取扱いを継続させていきましょう。
併せて、火災をはじめとする事故による直接損害の補償や利益損失、営業継続に要する費用といった間接損害の補償ができる保険の加入も考慮したほうがいいでしょう。

「ここから変える。」メールマガジン

経営にまつわる課題、先駆者の事例などを定期的に配信しております。
ぜひ、お気軽にご登録ください。

メルマガ登録する

— 2020/06/04

【専門家解説】社内だけでは済まない!顧客や取引先からのハラスメント対策

本来、顧客や取引先企業との関係は従業員任せにするのではなく、事業主がその対応を明確に従業員に指示するべきものです。顧客や取引先からの迷惑行為、いわゆるカスハラに対して、どこまで顧客の要望に応じなければならないのか

— 2020/05/21

転ばぬ先の杖~建設業で知っておきたい元請け・下請けとの関係とハラスメント対策~

一般に直接雇用関係の無い取引先企業の労働者との間には、特段の事情がない限り労働契約に付随する義務は生じません。しかし昨年のハラスメント規制法改正で、職場におけるパワーハラスメント(以下パワハラ)防止対策が強化されたことに合わせ

— 2020/05/12

【弁護士解説】ハラスメントを原因とした雇用リスクと求められるリスク管理

現在、中小企業においては、慢性的な人手不足を背景として、採用人材のミスマッチが生じ、いわゆるハラスメント事案を中心とした雇用に関するトラブルが増えてきています。 2019年5月29日には、パワーハラスメント対策を事業主の

— 2020/05/12

【弁護士解説】治療と仕事の両立~従業員が安心して働ける環境づくりとは~

少子高齢社会を迎え、中小企業においてはこれまで以上に人材の採用・育成、そして離職の防止が喫緊の経営課題となっています。事業の継続、そして更なる成長を実現するためには、職場環境の整備を進め、有為な人材を確保することが不可

— 2020/02/13

【弁護士解説】あおり運転など高速道路で、従業員が車から降りて事故に!?

内閣府が公表している交通安全白書(令和元年版)によると、平成30年の高速道路における交通事故発生件数は7,934件で、これによる死者数は173人、負傷者数は1万3,673人とされています。前年と比べると、交通事故発生件数

— 2019/10/09

受動喫煙による健康被害を避けるために企業が取り組むべき施策とは?

2010年6月に閣議決定された「新成長戦略」において、2020年までの目標のひとつとして掲げられているのが「受動喫煙のない職場の実現」です。受動喫煙とは、喫煙することで発生した有害な煙を吸ってしまうことです。そこで、厚生労働省は事業場の受動喫煙をなくすための取組みを促進するために、財政的または技術的支援の提供を行うこととしています。

— 2019/10/09

風災被害による賠償事例と対応策とは

近年、台風が毎年のように日本に上陸し、多くの風水災被害が報告されています。 気象庁のデータによると、毎年2個から3個以上の台風が、大雨、暴風等の災害をもたらしています。

— 2019/10/09

水災リスクに備えるための対応策とは

近年、台風や局所的なゲリラ豪雨などによる水災被害が数多く発生しています。 たとえば、平成27年9月の関東・東北豪雨では、鬼怒川が決壊し、広範囲において床上・床下浸水の被害に見舞われたことは、ご記憶の方も多いのではないでしょうか。

— 2019/09/05

中小企業に対する海外展開支援とリスクマネジメント

人口減少等の影響により国内マーケットが縮小していくと考えられる中、大企業だけではなく中小企業においても、成長著しいアジア市場等の海外の需要を取り込むため、海外展開を検討する企業が増えてきています。

— 2019/08/01

最近のリコールの特徴に備えた対策を行っていますか?

近年、製品の安全性に対する規制強化や消費者の意識向上を背景として、リコールリスクは、製造業を営む企業を中心にますます重要な経営課題の1つとなっています。

— 2019/07/19

企業が行うべき熱中症予防対策と応急処置のポイントとは?

これから夏本番を迎えるにあたり、注意したい労災のひとつとして、熱中症が挙げられます。屋外作業はもちろんですが、屋内でも発症する可能性があるため、オフィスワークであってもきちんと予防策を実施することが大切です。

— 2019/06/24

目に見えない水災の本当の怖さ、それは・・・

昨年(2018年)は、台風やゲリラ豪雨などによる風水災被害が数多く発生しました。 岡山や広島、愛媛などで大きな被害が出た「平成30年7月豪雨(西日本豪雨)」や25年ぶりに非常に強い勢力のまま日本に上陸した「台風21号」、「台風24号」などを代表に、風水災被害が全国各地で頻発したことは記憶に新しいのではないでしょうか。

— 2019/05/09

サイバー攻撃、素早い初動対応が自社を救う!

近年、中小企業を狙ったサイバー攻撃が増えており、大企業だけではなく中小企業においても、セキュリティ対策を進める必要性が高まっています(詳しくは、本コラムと同日付で配信されているもう1つのコラムをご覧ください)

— 2019/05/09

深刻化するサイバー攻撃の手口とは?

近年、企業が有する個人情報や営業秘密等を不正に入手することや、ネットバンキングを通じて不正送金を行うなど、企業に対するサイバー攻撃が増加しています。 サイバー攻撃の対象として狙われるのは、誰しもが知っている大企業や著名なインターネットサイトばかりではありません。最近では、サイバー攻撃への対策が進んでいる大企業は直接狙わずに、その取引先である中小企業を攻撃し、そこから大企業への侵入を試みるいわゆる「サプライチェーン攻撃」が増えています。

— 2019/04/03

急増する水災被害!今すぐできる企業での水災対策

近年、温暖化の影響などにより、全国各地で台風や局所的な集中(ゲリラ)豪雨などによる水災が増加しています。 気象庁によると、全国(アメダスによる観測)の1時間降水量50mm以上の年間発生回数は、年々増加傾向にあり、最近10

— 2019/03/04

経営者が知っておきたい「中小企業等経営強化法」による支援策

少子高齢化と人口減少の進む日本社会において、人手不足をはじめとした事業課題を抱える中小企業は少なくありません。早急に課題を解決し、生産性の向上や人材確保など、事業の持続的発展につながる糸口をつかみたいところです。

— 2019/03/01

2020年に義務付けられるHACCP(ハサップ)とは?

飲食店の経営にはいくつかのリスクがありますが、提供する食品の安心と安全は最優先課題といえるでしょう。こういった課題に対し経営としてどのような対策を打つべきか、ポイントを挙げて紹介します。

— 2019/02/08

企業が実践したい人材不足を解決させる取組み

人材不足を解決するには、採用方法の改善による社員獲得や、福利厚生の充実による定着率の向上など、さまざまな改善方法が挙げられます。状況に応じた適切な改善方法を実施し、採用の活性化と従業員の定着を図りたいところです

— 2019/02/08

人材不足の課題を解決する「採用管理」と「定着管理」の改善

企業の人材確保を実現させるためには、雇用管理における人材採用とその定着において、改善策を講じることが重要です。採用活動で必要な人材を確保し、採用後は「定着管理」を実施することで、人材不足のリスクを軽減できるでしょう

— 2019/02/08

「定着管理」のために行いたい就労条件の整備

人材確保のためには、採用活動を工夫するだけではなく、就労条件の改善をもとに、労働条件、労働環境、人間関係、福利厚生を見直し、「定着管理」の対策を講じることも重要です。 ここでは、人材不足リスクを解消するための就労条件改善

お問い合わせ

法人向けの様々なリスクに備える保険についてご案内しております。

資料請求

パンフレットのご請求はこちら

代理店検索

保険商品についてのご相談はこちらから。
地域別に最寄りの担当をご紹介いたします。